活用・導入事例
シャープマーケティングジャパン株式会社様 受注センターシステム
シャープ株式会社の各販売会社が取引先からFAXで注文を受け付ける「受注センターシステム」。その核となるFAXサーバーに、日本ワムネットの「MultiPortFAX 4 Pro.(以下、MPF4)」が採用されています。その経緯について、「受注センターシステム」の設計・構築・運用を担っているシャープマーケティングジャパン株式会社 ビジネスソリューション社(以下 シャープマーケティングジャパン) 西日本システム開発部 第3開発センター 主任 浜田 典明氏、参事 梅本 康之氏、第2開発センター 参事 綾目 真弓氏、システム営業統括部 コーポレートソリューション営業部 参事 岡本 由美子氏(写真左より)に詳しく聞きました。
シャープマーケティングジャパン株式会社について
シャープグループにおけるB2B事業を担う国内販売会社。2017年10月シャープエレクトロニクスマーケティング株式会社、シャープビジネスソリューション株式会社、シャープエンジニアリング株式会社が合併し、シャープマーケティングジャパン株式会社が設立されました。 ビジネスソリューション社はドキュメント機器、システム機器、業務用ディスプレイ等のBtoB商品をベースとして、コンサルティング〜システム構築〜運用保守まで、蓄積したノウハウ、スキル、技術を活かし、幅広い業種・業態のお客様に最適なソリューションをご提供しています。【利用状況】取引先18万件からの発注業務を担うMultiPortFAX 4 Pro.
― MPF4が利用されている「受注センターシステム」の
概要について教えてください
「受注センターシステム」は、シャープ株式会社の各販売会社が全国の販売店様から、各種商品やパーツなどの注文を受け付ける受注センターの基幹システムです。5〜6年ごとに見直しを図っており、今回のシステムで第4世代となります。
「受注センターシステム」における主な業務の流れは、次の通りです。
1. 販売店様から、FAXもしくはメールで発注書を受信
2. 受注内容をシステムに入力
3.
受注管理システム(ホスト)にデータを送信
4. 受注管理システムより納期回答情報を受信
5. 納期回答書を生成
6. 販売店様へ、FAXもしくはメールで納期回答書を送信
MPF4は、FAXを送受信するFAXサーバーとして採用しており、これまで第2世代、第3世代のシステムでもMultiPortFAXシリーズを利用してきました。
― FAXの送受信数などについて教えてください。 FAXの送受信数および取引先数の概要は、次の通りです。
項目 | 件数 | 備考 |
---|---|---|
FAX受信件数 | 約11万件/月 | ピーク時、7月、12月 |
FAX送信件数 | 約16万件/月 | |
取引先数 | 約18万件 |
― FAXの送受信に関するシステム構成について教えてください。
受信サーバー3台は関東地区のデータセンターで、送信サーバー4台は関西地区のデータセンターで運用しています。BCP対策として、自然災害などによって関東のデータセンターで受信業務ができなくなった場合は、関西のFAXサーバーでも受信業務を引き継げるように設計しています。
FAXの受信に関しては、18本の受信回線を用途に応じて3つに分けて受信し、交換機にてラウンドロビン方式で振り分けるようにしています。
【選定要件】可用性、メンテナンス性、サポート体制などを要件にFAXサーバを選定
― MPF4を導入した経緯を教えてください。
第4世代の「受注センターシステム」の構築にあたり、BCP対策や入力体制の強化を始め、営業担当者がイントラネットから受注FAXを確認できるようにするなど、これまで以上に踏み込んだ改変を行いました。
その一方、FAXサーバーに関しては踏み込んだ考え方ではなく、使用する機能はシンプルなので、可用性やメンテナンス性、サポート体制などを要件に、クラウドサービスやほかのFAXサーバー製品なども含め再検討をしました。各要件の詳細は、次のとおりです。
【要件1】可用性、安定性
受注センターの業務は、発注書を受信することから始まります。万が一、受信サーバーに障害が発生すれば、取引先様にご迷惑をおかけするだけでなく、機会損失という大きな損害にもつながりかねません。そのため、BCP対策も強化しました。当然、FAXサーバーの可用性と安定性はとても重要な要件となります。
【要件2】メンテナンス性
メンテナンス性は、単に保守・運用がしやすいということだけでなく、広義ではリスクコントロールのしやすさと言ってもいいかもしれません。仕様変更への対応はもちろんですが、障害発生時などいざというとき、自分たちで障害箇所を切り分けて、迅速に復旧できる体制を準備できるかどうかも重要な選定でした。
【要件3】開発工数、期間
「受注センターシステム」の構築は、FAXサーバー以外にも既存機能の改変や追加機能の開発、動作確認など多岐にわたります。FAXサーバー自体の構築はもちろんですが、外部システムとの連携に関してもできるだけ工数や期間をかけず、対応できるFAXサーバーが理想でした。
【要件4】サポート体制
外部システムとFAXサーバーの連携に関して、技術的なサポートは不可欠です。どのシステムも同じですが、サポート体制の善し悪しも、FAXサーバーを選定する上で欠かせない選定要件でした。
【選定理由】国内ベンダーによる自社開発製品であることを総合的に判断
― MPF4を導入した経緯を教えてください。
MPF4に関して、第一に評価したのは可用性や安定性を含めた信頼性です。これまでの「受注センターシステム」における実績も踏まえた上での判断となりますが、信頼のおける国内ベンダーが自社開発した製品であることが選定のポイントとなりました。
たとえば、開発元が海外のパッケージ製品であったり、クラウドサービスだと、こちら側がシステムに合わせなければいけない場面が多かったり、妥協しなければならない場面も出てきます。
MPF4の場合は、開発ベンダーである日本ワムネットがFAXサーバー内部の構造や仕組みを完全に理解していて、直接対応してくれますので、要望も伝えやすく柔軟かつ真摯な対応が期待できます。
また、第 3世代で開発したFAXサーバーとのインターフェースや外部システム連携といった過去の資産を有効活用でき、開発工数や開発期間を最小限に抑えることができるという点も選定理由の一つとなりました。
実際、既存システムとの連携に関して、ほとんどのケースで相手側のシステムに修正や追加、仕様の変更などが不要だったのでとても助かりました。
【評価】日本ワムネットの高度で柔軟なサポート体制を評価
― MPF4および日本ワムネットへの評価をお聞かせ
ください。
繰り返しになりますが、受注の入口であるFAXの受信システムは24時間365日止められないシステムであり、膨大な数のFAXを迅速に処理することが求められます。FAX送信も含めて、MPF4は安定稼働しており、とても満足しています。
また、開発フェーズにおいて、提供された資料がわかりやすく、技術サポートのスキルも高く、対応も迅速。専用の開発ツールを提供してもらうなど、通り一辺倒な対応ではなく、当社の案件に即した対応をしてもらえたので、安心して開発を進めることができました。
― 今後の期待があればお聞かせください。
継続的に運用していくためには、安定性と互換性というのは重要なポイントです。今後もそのような製品開発の継続を期待すると同時に、変わらぬ質の高いサポートの提供に期待しています。
企業概要
社名:シャープマーケティングジャパン株式会社 ビジネスソリューション社
代表者:代表取締役社長 山崎 公人
本社所在地:千葉市美浜区中瀬1丁目9番2号
設立:1977年3月28日
資本金:16億38百万円
従業員数:1,800名
事業概要 :システム機器、業務用ディスプレイ、ドキュメント機器、オフィスサプライ品等の販売事業/コンサルティング、システム企画・開発・構築・サポートにいたるトータルソリューション事業/システム機器、業務用ディスプレイ、ドキュメント機器等のサポートサービス事業
* 取材日時 2015年12月
* シャープマーケティングジャパンのホームページ
* 記載の担当部署は、2018年5月の組織名です。