深刻な人手不足が続く製造業をRPAが救うRPAコラム

深刻な人手不足が続く製造業をRPAが救う

2019.04.11

深刻な人手不足が続く製造業をRPAが救う

製造業を取り巻く環境は厳しさを増すばかり

日本の基幹産業である製造業。近年は、海外生産拠点における賃上げにより国内生産へと回帰する企業も数多く見られます。一方、国内においても人手不足が深刻化する中、「受注が増えても十分な労働力を確保できない」「技術・ノウハウの継承が進まない」といった課題に直面しています。さらには、働き方改革による残業時間の規制や就労管理強化への圧力など、製造業を取り巻く環境は厳しさを増すばかりです。

今回は、そのような状況下にある製造業におけるRPAの活用について、受発注業務、在庫管理、発送業務、労務管理、故障検知といった視点から考察してみたいと思います。

製造業におけるRPAの想定活用ケース

受発注業務

受発注のやり取りやデータはデジタル化が急速に進んでいます。しかし、取引先によってメディアの種類や形式が異なり、たとえば、受発注データをメールでやり取りする場合でも、メッセージ欄にオーダー内容が記載される場合もあれば、表計算ソフトのデータを添付ファイルとしてやり取りすることもあります。

POSデータやEDIを利用する場合も、取引先ごとにシステムの操作方法やデータ形式が異なり、自社の販売管理システムや基幹システムへ入力するためには個別にデータ形式を変換したり、手入力で対応したりしなければなりません。

ロボットを利用すれば、POSやEDIのデータをダウンロードして、データ形式を変換し、自社システムへと入力するまでの一連の作業を自動化することができます。同様に発注作業を自動化したり、在庫の引き当てや出荷・生産の指示を連動させることも可能です。

このような受発注業務の自動化は手作業による負担を削減するだけでなく、転記ミスや見落としなどを確実に防ぎ、夜間を含めた24時間体制で業務に対応できるというメリットがあります。

在庫管理

在庫管理システムや販売管理システムを導入して商品や部材の管理を行っている場合でも、出先からシステムへとアクセスする手段がなければ、都度、電話で問い合わせをしたり、手動で営業担当者へ在庫情報のメールを送信しているという場合も多いかと思います。

このような場合も、ロボットで決められた時間に在庫数をチェックして、定期的に必要な在庫情報を営業担当者に送信。同時に、あらかじめ設定した在庫数を下回る商品があれば、生産指示やその確認を促すメールを責任者に通知するという業務を自動化できます。

在庫情報の送信ミスや送信漏れを確実に防ぐことができ、欠品などを未然に防ぎ適正在庫を保つことが可能となります。

発送業務

RPAは特別なシステムを導入することなく現場に負荷もかけず、業務品質を向上させることも可能です。

たとえば、商品を発送する際、顧客(送付先)へ送り状の問い合わせ番号を記載したメールを自動で送信するロボットを導入すれば、顧客の利便性を高め、出荷状況に関する問い合わせを減らすことができます。

このような作業を手作業で行うのはとても煩雑で、問い合わせ番号や送付先の記載ミスなどがあればトラブルにもなりかねませんが、ロボットによる自動化で顧客満足度と従業員満足度の両方を向上させることができます。

労務管理

製造業の現場では正社員だけでなく、契約社員やパートスタッフなど雇用形態の異なる社員が働いており、さらに、時間交代制度を採用している場合は、シフト管理や労働時間、残業時間の管理は煩雑となりますが、管理をおろそかにすれば労働問題へと発展しかねません。

仮に勤怠管理システムが導入されている場合であっても、都度、システムの画面を開いて残業時間を目視でチェックしなければならなかったり、月末にならないと正確な残業時間が把握できないようなケースも見られます。

自動で社員ごとの残業時間を集計し、一定の残業時間を超えたり、超えそうになったら、管理者や関連部署、さらには対象の社員へとメールで通知するというロボットを導入すれば、管理者の負担を減らし、厳密な残業時間の管理が可能となります。

また、勤務終了後、一定時間以上の休息期間(時間)を設ける「勤務間インターバル制度」の導入も普及すると言われており、同様の仕組みで、休息期間のチェックや関係者への通知を自動化することも可能です。

故障検知

高度な故障検知や予兆保全は専門のシステムや分析環境が必要です。導入のハードルも高く、RPAの利用だけで実現するのは容易ではありません。

一方、人手で機械に取り付けた各種センサー情報を収集し、マクロなどを使って集計している作業であれば、ロボットによる自動化が可能です。故障や障害を示す異常値が見つかった場合、即時に担当者へメールなどで通知するという仕組みを実現することができます。

このような一連の作業を自動化するロボットの導入は、集計作業などから高度な知識とレベルを持った担当者を解放するだけでなく、検知の頻度を上げ、24時間体制での対応もよういに実現することができます。

小さな改善を積み重ねて大きな成果へとつなげる

今回のコラムでは、製造業におけるRPAの想定利用ケースとそのメリットを考えてみました。これらの利用例のほかにも、CAD/CAM/CAE、BOM(部品表)、MRP(資材所要量計画)といった分野においても、PCで実行している作業であればロボットによる自動化は可能なはずです。

ロボットで対応できる改善の1つ1つは小さなものかもしれませんが、小さな改善を積み重ねて大きな成果へと結びつけてきた製造業に携わる方であれば、このような取り組みの重要性は理解していただけると思います。

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