活用・導入事例

シンプレクス株式会社様 債券トレーディングシステム

金融業界にITソリューションを提供するシンプレクス株式会社(以下、シンプレクス)では、債券トレーディングシステム「SimplexSTREAM」に日本ワムネットの「MultiPortFAX 4 Pro.(以下、MPF4)」を組み込み提供しています。その経緯について、同社 井形 雅弘氏、柳瀬 和憲氏、塩ア 幹夫氏、M中 俊佑氏(写真左より)に詳しく聞きました。

シンプレクス株式会社について

1997年の創業以来、豊富な金融業務知識と高度な技術力を背景に、金融機関が収益最大化のために戦略的なIT投資を行う分野を「金融フロンティア領域」と定義し、この領域に特化した金融ITソリューションを提供。キャピタル・マーケット分野においては、大手金融機関を中心として、あらゆる金融商品をカバーしたディーリングアプリケーションを提供。また、リテール分野においては、最先端のディーリングエンジンを搭載したFX(外国為替証拠金取引)システムの提供において、国内No.1のマーケットシェアを誇る。

【利用状況】業界シェアNo.1の導入実績を誇る債券トレーディングシステムにMPF4を搭載

― MPF4を組み込んでいる「SimplexSTREAM」
  について教えてください。


SimplexSTREAMは、約定管理からポジション・損益管理、リスク管理に至るまで、証券会社の債券トレーディング業務に必要なフロント、ミドル、バック業務機能を広範にカバーする統合型債券ソリューションです。


円債、外債、為替、スワップ、金利先物、オプションなど多様な商品に対応し、注文入力から約定取り込み、リアルタイムでのポジション・損益管理、リスク管理など、複雑な業務フローを効率化。証券会社の収益機会の拡大だけでなく、業務コストの軽減、及び、業務処理スピードの向上にも貢献しています。


― SimplexSTREAMの強みとは、
  どのようなところが挙げられるでしょうか。


自社開発パッケージならではの柔軟なシステム設定ができる点が強みです。最短1ヶ月でのスピード導入が可能なだけでなく、証券会社のビジネスの変化に合わせた段階的なシステム機能強化にも迅速に対応できます。また時価算定などの約定業務単位での導入から、デスク単位での小規模導入、デスク全体といった大規模導入まで、多彩な導入スタイルに対応できる点も評価されています。


加えて、各種制度改変への対応やコンプライアンスチェック機能など、日本特有の商習慣・制度にきめ細かく対応している点も強みです。債券トレーディング業務に深く精通した金融専門エンジニアによるサポート体制も評価され国内大手証券8社に採用いただくなど、債券トレーディングシステムとして業界シェアNo.1の導入実績を誇っています。


SimplexSTREAMの概要イメージ


【背景】約定結果は、FAXで送信するケースが圧倒的多数

― MPF4でどのような機能を実現して
  いるのでしょうか。


証券会社が顧客に対して取引の約定結果(コンファメーション)を送付するためのFAXサーバとしてMPF4を利用しています。約定結果は、メールやファイル転送でやり取りするケースもあるのですが、FAXで送信するケースが圧倒的に多いです。


ただし、機能としてはあくまでSimplexSTREAMの機能として組み込まれていますので、ユーザである証券会社がMPF4という製品を意識することはありません。


― 通常、どのくらいの約定結果をFAXで送るもの
  なのでしょうか。また、なぜFAXで送信する
  ケースが多いのでしょうか。


細かな利用状況をすべて把握できているわけではありませんが、多いところでは1日あたり約100件のFAXを送信するケースもあります。


また、FAXの利用が多いのにはいくつかの理由があります。まず受け取る側の都合で、FAXであればどの会社でも機器を所持しているため、約定結果を受け取ることが可能であり、新しい仕組みやシステムが不要だという点です。


一方、約定結果を送る証券会社にとっても、メールだと不達だった場合に、その状況や原因を調べるのが難しい場合があります。セキュリティ面でも不安があります。FAXであれば伝送経路がシンプルで、再送などの通信制御や、通信結果を把握・管理しやすいというメリットもあります。


特にMPF4では、通信ログデータはもちろん、FAXの送信イメージも保管できるので、便利です。


― SimplexSTREAMとMPF4は、どのように連携しているのでしょうか。


一番シンプルな連携方法で、FAX送信に必要なデータをMPF4の監視フォルダに受け渡すだけで、以後のFAX送信に関してはMPF4による制御に任せています。



【選定理由】信頼性と拡張性、連携のしやすさを要件に、FAXサーバを選定

― MPF4を採用した理由について教えてください。


2002年、前身となるシステムを拡張しSimplexSTREAMとして提供を開始したとき、機能拡充の一環としてMPF4の旧バージョンにあたるFAXサーバを採用しました(便宜上、以降、旧MPF4と表記)。それまでは、FAX送信機能は搭載していませんでした。


FAXサーバを選ぶ際のポイントとしては、「信頼性」と「拡張性」、「連携のしやすさ」といった点を重視しました。


【選定理由1】信頼性

証券会社で使用されるシステムであることはもちろんですが、毎日、恒常的に利用される機能です。そのため信頼性は重要な選定要件で、サーバで稼働する商用システムであることは必須だと考えていました。


旧MPF4は、当時サーバで稼働する数少ない商用製品で、信頼性を担保するためのサポート体制などもしっかりしていることから、採用を決めました。


【選定理由2】拡張性

現状、FAXの送信機能に関して複雑な制御やプログラムの開発は行っていませんが、将来的にFAX関連機能の拡張や開発が必要になった場合でも対応できる製品を選択したいと考えました。


旧MPF4は、APIが公開されており複雑な制御も可能だったことに加え、様々な開発言語に対応している点を評価しました。


また、拡張性という点では、マルチに対応できる点も評価ポイントでした。



【選定理由3】連携のしやすさ

複雑な制御やプログラムの開発が可能な一方、現在採用しているようにSimplexSTREAMとMPF4が互いに依存度の低いシンプルな連携が可能である点も評価ポイントでした。


あえて言うまでもないかもしれませんが、疎結合な関係であることで互いの変更により影響度を最小限に抑えることができます。



【評価】MPF4はSimplexSTREAMの付加価値を高めている

― MPF4の導入効果および評価をお聞かせください。


まず、大きなトラブルもなく安定的に稼働していることが最大の成果であり、このような実績があるからこそ2002年から14年間SimplexSTREAMに組み込んで提供してきました。


以前は約定結果のFAXを手作業で送信していたものを、その手間を省き、自動化することで誤送信などのリスクも排除できるというFAX送信機能の導入検討がきっかけとなり、SimplexSTREAMの導入に至ったケースもあります。


また、SimplexSTREAMを使い始めてからFAX送信機能を追加で採用されるケースもあり、FAX送信機能がSimplexSTREAMの付加価値を高めていることは間違いありません。


― 日本ワムネットへの要望や期待があればお聞かせください。


正直なところ、ほとんどトラブルなどが発生しないので、通常、意識することは少ないのですが、FAXは機器同士の相性や通信回線の状況によって通信に不具合が発生することもあります。そのようなとき、いつでもサポートしてもらえるという安心感は大きなものがあります。


今後もこれまでと変わらず、品質の高い製品とサポートを期待しています。



企業概要



社名:シンプレクス株式会社
代表者:代表取締役社長 金子 英樹
本社所在地:東京都港区虎ノ門1-23-1 虎ノ門ヒルズ森タワー19階
創業:1997年9月16日
資本金:4,808百万円
従業員数:672名(連結、2016年3月31日現在)
事業概要 :金融機関の収益業務に関わるシステムのコンサルティング業務、システム開発業務、保守・運用業務


* 取材日時 2016年6月
* シンプレクスのホームページ
* 記載の担当部署は、取材時の組織名です。




日本ワムネット(株)ソリューション営業部
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